夜中の地震で寝起きに動けないのはなぜ?睡眠慣性と枕元の備え
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眠りから目覚めても、注意力や判断力がすぐ普段どおりに戻るとは限りません。起きた直後にぼんやりする、考える速さが落ちるといった状態は「睡眠慣性」と呼ばれます。夜中の地震では、それに強い揺れや暗さも重なるため、昼間と同じように動けることだけを前提にしない備えが大切です。
睡眠慣性とは?寝起きに判断しにくくなる状態
睡眠から覚醒へ移る直後に、覚醒度や認知作業の成績が一時的に低下することは、睡眠研究でも調べられています。影響の強さや続く時間は、睡眠の状況、目覚める時刻、行う作業などで異なります。

「地震なら必ず何秒間動けない」「睡眠慣性がある人は逃げられない」と決めることはできません。また、意識はあるのに体が動かない体験など、すべての症状を睡眠慣性と呼ぶことも適切ではありません。ここでは、夜の防災を普段の寝室で準備するための視点として扱います。
寝起きのぼんやりと、強い揺れは別に考える
大きな揺れでは、十分に目が覚めていても歩いたり立ったりすることが難しくなります。さらに停電や散乱した物があると、移動の条件も変わります。気持ちを強く持てば解決する、という問題だけではありません。
気象庁は、緊急地震速報を見聞きした場合も、先に揺れを感じた場合も、周囲に合わせて身の安全を確保する行動を案内しています。家の中では頭を保護し、あわてて外へ飛び出さないことが基本です。速報が鳴ったときの考え方は、夜中の緊急地震速報と行動にも整理しています。
眠る前に整える、枕元の3点
- ライト:寝る姿勢から手が届き、落ちても見つけやすい位置に置く。
- 履物:揺れが収まったあと、床に散乱した物への対処を考える。歩く道に投げ出さない。
- 眼鏡や必要な物:いつも同じ置き場にし、重い物が上から落ちない位置を選ぶ。
声を掛け合う家族がいる場合は、どこで眠り、揺れの最中に無理に動かないためにどう声を掛けるかも話しておきます。暗い部屋で急いで移動する訓練ではなく、明るく安全な時間に配置を確かめましょう。

寝床から出口まで、倒れる物と通路を見る
タンスや本棚が倒れた場合に寝床へ届かないか、扉を塞がないかを見ます。ベッドの近くの棚、窓、照明から物が落ちることも含め、配置や適切な固定を考えてください。廊下の洗濯かごや荷物など、普段つい置いてしまう物も点検します。
枕元・通路・寝る場所から始める寝室の地震対策は、家族で点検する際の入口になります。
寝る場所そのものに、備えを重ねる
家具の配置に加えて、住宅の耐震性も大切です。古い木造住宅で状態が分からないときには、診断や必要な改修を検討します。そのうえで、寝床の周囲に生存空間を持つ方法もあります。
私たちのTETUNOMA(鉄の間)は、鉄のフレームで囲まれた下段に寝具を置き、普段からその中で眠る家具です。寝起きの速さを鍛えるという考え方ではなく、毎日使う寝床の構造として備えるために作っています。
普段の寝室に迎える姿と、外寸・余白・出入りの場所を見比べながら、今夜の枕元から、少しずつ整えてみてください。

参考資料
TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る
いつもの寝具で眠り、夜は本を読んでくつろぐ。写真と実物映像を見ながら、ご自宅の寝室に迎えた姿を思い描いてみてください。
写真の出典
- Atsushi Tadokoro / Futon (9455233917).jpg / CC BY 2.0
- KMJ / Flashlight.jpg / CC BY-SA 3.0
