地震で骨折したらいくらかかる?怪我がもたらす「見えない経済損失」

地震で骨折したらいくらかかる?怪我がもたらす「見えない経済損失」

この記事でわかること

  • 地震による負傷者数の実態
  • 骨折の治療費・入院費の具体的な金額
  • 休業による収入減や介護リスクという「隠れたコスト」
  • 地震保険でカバーできる範囲とその限界

地震の被害は「死者数」だけでは測れない

大地震のニュースで最初に報じられるのは、死者の数です。
しかし、地震の被害は命を落とした方だけにとどまりません。

阪神・淡路大震災では、43,700人以上が負傷しました。
熊本地震では1,814人、能登半島地震では1,334人が怪我を負っています。

つまり、大地震が起きたとき「死なないけれど怪我をする」という人が、死者の何倍も存在するのです。

怪我の程度はさまざまです。
ガラスの破片による切り傷。
落下物による打撲。
家具の下敷きによる骨折。
倒壊した建物からの脱出時の捻挫や脱臼。

命は助かった。
しかし、その後の人生に大きな影響を及ぼす怪我を負うことがあります。

そして多くの方が見落としているのが、怪我がもたらす「経済的な影響」です。

死者数は報道で大きく取り上げられますが、負傷者のその後を追ったニュースはほとんどありません。
しかし、怪我を負った方の多くが、治療費の支払い、仕事への復帰、生活の再建という長い戦いに直面しています。

地震の瞬間に命が助かっても、その後の経済的なダメージから回復できなければ、生活は根本から崩れてしまいます。
「命が助かったのだから良かった」では済まない現実が、負傷者の数だけ存在しているのです。


骨折の治療費、具体的にいくらかかるのか

地震で最も深刻な怪我のひとつが骨折です。
家具の転倒、天井の落下、階段からの転落など、あらゆる場面で起こり得ます。

骨折の治療費は、部位や重症度によって大きく異なります。
3割負担で15万〜60万円程度が一般的な目安です。

入院費の実態

生命保険文化センターの調査によると、入院時の自己負担費用は平均19万8,000円。
1日あたりの自己負担額は平均20,700円です。

これには治療費だけでなく、食事代(1食あたり510円)、差額ベッド代、日用品のレンタル代なども含まれます。

高額療養費制度の存在

日本には高額療養費制度があり、1か月の自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が後から払い戻されます。
平均的な所得の方であれば、1か月の自己負担上限は約8〜9万円程度です。

この制度のおかげで、治療費が数百万円になっても、窓口負担は一定額に抑えられます。

しかし、問題は治療費だけでは終わらないことです。


治療費の裏に隠れた「本当のコスト」

骨折の経済的影響は、病院の支払いだけでは測れません。
むしろ、退院後に始まる出費と収入減の方が、はるかに大きいのです。

リハビリ期間という長い道のり

大腿骨骨折(太ももの付け根の骨折)の場合、急性期の入院が2〜4週間。
その後、リハビリ病院に転院して1〜2か月のリハビリ。
退院後もさらに3〜4か月の通院リハビリが必要とされています。

大腿骨頸部骨折の診療ガイドラインでは、リハビリ期間は3〜6か月が必要と明記されています。
全治期間は一般的に3〜6か月。

つまり、骨折してから元の生活に戻るまで、半年近くかかることがあるのです。

休業による収入の喪失

半年間、仕事ができない。
これが経済的にどれほどの打撃になるか、想像してみてください。

会社員であれば、傷病手当金(給与の約3分の2)が支給される場合があります。
しかし自営業者やフリーランスには、この制度がありません。

さらに、地震が原因で事業所が被災し、休業せざるを得なくなった場合、労働基準法上の休業手当の支払い義務は原則として発生しません。
天災は「使用者の責に帰すべき事由」に当たらないためです。

能登半島地震では、特別措置として休業中でも失業手当が支給される制度が設けられましたが、支給額は最大で1日あたり8,490円。
月に換算すると約25万円程度であり、通常の収入を大きく下回るケースがほとんどです。

住宅ローンや家賃の支払いは、怪我をしても待ってくれません。
子どもの学費も、食費も、通信費も止まりません。

収入がゼロになっても、固定費は変わらず発生し続ける。
この「収入と支出のギャップ」が、怪我をした家庭を経済的に追い詰めていきます。

貯蓄で乗り切れる期間には限界があります。
一般的に、生活防衛資金として推奨されるのは生活費の3〜6か月分ですが、それはあくまで「通常の出費」を前提とした数字です。
治療費やリハビリ費用が重なれば、貯蓄はさらに早く底をつきます。


高齢者の骨折が「寝たきり」につながるリスク

高齢者の場合、骨折の影響はさらに深刻です。

政府広報オンラインによると、高齢者にとって転倒・転落は骨折や頭部外傷などの大怪我につながりやすく、それが原因で介護が必要な状態になることがあります。

令和4年国民生活基礎調査では、高齢者の介護が必要となった主な原因のうち「骨折・転倒」が13.9%を占めています。

特に大腿骨を骨折した場合、長期間の寝たきり状態が筋力の低下を招き、骨折が治った後も歩けなくなるケースがあります。

さらに、一度転倒すると歩行に恐怖心を覚え、外出を避けるようになり、うつ病や認知症の悪化につながることも報告されています。

介護費用という「終わりの見えない出費」

要介護状態になった場合、介護費用は月額数万円から十数万円。
施設に入る場合は月額15〜30万円程度が相場です。

これが数年、場合によっては10年以上続きます。
地震の一瞬の怪我が、数千万円単位の経済負担に変わる可能性があるのです。

骨折自体の治療費は高額療養費制度で抑えられても、その後の介護費用には上限がありません。


地震保険でカバーできること、できないこと

「地震保険に入っているから大丈夫」と思っている方も多いかもしれません。

2024年度の地震保険の世帯加入率は35.4%。
火災保険に付帯している割合(付帯率)は70.4%と初めて7割を超えましたが、裏を返せば約65%の世帯は地震保険に未加入ということです。

そして、加入していても注意すべき点があります。

地震保険の補償額は、火災保険金額の30〜50%の範囲で設定されます。
上限は建物5,000万円、家財1,000万円。
つまり、建物の被害を全額カバーできるわけではありません。

さらに重要なのは、地震保険はあくまで「建物と家財」の損害を補償する保険だということです。
地震で怪我をした場合の治療費や、休業による収入減は、地震保険の補償対象外です。

怪我による経済損失をカバーするには、医療保険や所得補償保険など、別の備えが必要になります。
しかし、そもそも怪我をしなければ、これらの費用は発生しません。

また、地震保険は損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で定額が支払われる仕組みです。
実際の修理費用と保険金額が一致するとは限りません。

たとえば「一部損」と認定された場合、支払われる保険金は契約金額の5%です。
建物の地震保険金額が1,000万円であれば、50万円しか受け取れません。

家は壊れた。怪我もした。しかし保険でカバーできるのは建物被害の一部だけ。
怪我の治療費と収入減は、すべて自己負担。
これが、多くの被災者が直面する現実です。


「怪我をしない」ことが最大の経済的防災

ここまで見てきたように、地震による怪我の経済的影響は、治療費だけではありません。

入院費、リハビリ費用、休業による収入減、介護費用。
これらが連鎖的に積み重なることで、家計へのダメージは数百万円から数千万円規模に膨らむ可能性があります。

防災グッズを揃える。
食料を備蓄する。
避難経路を確認する。
これらはすべて大切な対策です。

しかし、最も効果的な経済的防災は「そもそも怪我をしないこと」ではないでしょうか。

特に就寝中は、身体が無防備な状態です。
家具の転倒、天井の落下、建物の倒壊。
これらが起きたとき、寝ている場所が安全かどうかで、その後の人生が大きく変わります。


寝室の安全が、家計も守る


TETUNOMA(鉄の間)は、就寝スペースそのものを耐震シェルターに変える製品です。
普段はベッドの上で普通に眠り、地震が起きたら下の空間に約6秒で避難します。
120トン以上の荷重に耐える鉄鋼フレームが、倒壊した建物の下でも生存空間を確保します。

怪我をしなければ、治療費はかかりません。
入院しなければ、収入は途絶えません。
骨折しなければ、寝たきりのリスクも生まれません。


命を守ることは、同時に家計を守ることでもあります。
地震への備えを「コスト」ではなく「投資」として考えたとき、就寝中の安全確保は最も費用対効果の高い選択肢のひとつです。



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