高齢の親が1階で暮らす地震対策|階段の負担と寝室の備えを考える

高齢の親が1階で暮らす地震対策|階段の負担と寝室の備えを考える

足腰が少し弱ってきた。階段の上り下りがつらくなってきた。夜中にトイレへ行くたび、階段を使わせるのが心配。

そんな理由から、「そろそろ寝室を2階から1階へ移そうか」と考えているご家庭は多いと思います。これは、決して間違った判断ではありません。

高齢になると、転倒・転落によるけがのリスクは高くなります。

消費者庁も、高齢者の家庭内事故について、階段や段差には手すりや滑り止めを設置するよう呼びかけています。

骨折をきっかけに長期入院や介護が必要になることもあるため、毎日階段を使わなくても生活できる環境をつくることには、大きな意味があります。

しかし、ここでもう一つ考えておきたいことがあります。それが、「木造2階建て住宅の1階で、大きな地震が起きたらどうなるのか」という問題です。

実は国も「2階を寝室にする」という地震対策を示している

2024年の能登半島地震を受け、国土交通省は「木造住宅の安全確保方策マニュアル」を公表しました。基本となるのは、住宅そのものを耐震化することです。

ただ、費用などの事情によって本格的な耐震改修が難しい家庭もあります。そこで国土交通省は、リスクを低減する方法として、耐震ベッドや耐震テーブルを導入するという方法とあわせて、2階建て住宅では、「2階を主な居室や寝室として利用する」という住まい方も例示しています。つまり、木造住宅では場合によって、1階より2階で過ごすことで、万一家屋が倒壊した場合のリスクを減らせる可能性があると国も考えているわけです。

でも、高齢になれば「2階で寝る」が難しくなる

ここで現実的な問題が出てきます。地震だけを考えるなら、「では2階で寝ればいい」という考え方ができます。

三重県関宿の古民家にある、木製の急な階段
関宿の古民家にある木の階段。毎日の上り下りや、夜間の移動も含めて寝室を考えます。

でも80歳、90歳になっても、毎朝階段を下りる。毎晩階段を上る。夜中にトイレへ行くたび階段を使う。これを続けることが、本当に安全でしょうか。

高齢者の転倒・転落は、骨折や頭部外傷など大きなけがにつながることがあります。消費者庁も、階段や玄関など段差のある場所への手すり・滑り止め設置を繰り返し呼びかけています。だから、「高齢になったら生活を1階で完結させる」という判断そのものは、とても合理的です。

問題は、1階で生活することではありません。1階で眠るなら、地震への備えも同時に考えること。ここが重要です。

なぜ木造2階建てでは「1階だけ潰れる」ことがあるのか

木造2階建て住宅の地震被害では、1階部分が大きく変形し、2階部分がそのまま下へ落ち込むような「層崩壊」が起こることがあります。だからといって、「1階は必ず危険」という意味ではありません。十分な耐力壁がある。

瓦屋根と上下階の窓が見える日本の2階建て住宅の外観
瓦屋根の2階建て住宅の外観例。家を建てた時期や改修の記録も、家族で振り返ってみてください。

壁がバランスよく配置されている。柱や接合部が健全。基礎に問題がない。適切な耐震設計がされている。こうした住宅であれば、安全性は大きく変わります。

一方で、築年数が古い。1階に大きなLDKがある。掃き出し窓など大きな開口部が多い。過去のリフォームで壁を撤去している。

柱や土台に腐朽・シロアリ被害がある。といった条件が重なれば、注意が必要です。つまり、「1階だから危ない」のではなく、その1階がどの程度の耐震性能を持っているのかが重要なのです。

大地震では、高齢者の被害が大きくなる

大規模災害では、高齢者の被害が大きくなる傾向があります。内閣府の高齢社会白書によると、東日本大震災で岩手・宮城・福島の3県で年齢が判明した死亡者のうち、60歳以上が66.1%を占めました。ただし、東日本大震災では津波による犠牲者が非常に多いため、この66.1%という数字をそのまま「高齢者は家屋倒壊から逃げられないから亡くなった」と解釈することはできません。それでも、災害時に高齢者が特に大きなリスクを抱えやすいということは、国の制度にも反映されています。

国も「自力で避難することが難しい人」を支援対象としている

災害対策基本法では、高齢者や障害者などのうち、災害時に自ら避難することが困難で、避難に特に支援が必要な人を「避難行動要支援者」として位置づけています。2013年の法改正では、市町村に避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられました。

もちろん、「高齢者なら全員避難できない」という意味ではありません。70歳でも元気に走れる方もいます。一方で、杖が必要な方。膝や腰が悪い方。介助が必要な方。夜中にすぐ起き上がれない方。もいます。だからこそ、その人の身体状況に合わせて、「素早く逃げられること」を前提にしすぎない防災が必要になります。

1階で暮らすなら、「逃げなくても守られる寝室」を考える

ここで、考え方を少し変えてみます。高齢になって階段が危ない。だから生活を1階へ移す。これはそのままでいい。

そのうえで、1階の寝室に、家屋倒壊への備えを加える。つまり、「2階で寝るか、1階で危険を受け入れるか」という二択ではなく、「1階で暮らしながら、眠る場所そのものを守る」という第三の方法です。実際、国土交通省も、本格的な耐震改修が難しい場合の方策として、耐震ベッドなどの導入を明記しています。住宅全体の耐震改修とは役割が違いますが、人命を守るための一つの方法として位置づけられています。

住み慣れた1階の寝床に、鉄の強さを

TETUNOMA(鉄の間)は、強固な鉄のフレームの内部に布団やマットレスを敷き、普段からその中で眠る耐震シェルターベッドです。いつもの寝床に、命を守るための強い空間をつくります。

TETUNOMA(鉄の間)を寝室で使うイメージ
鉄のフレームの中に、好みの布団やマットレスを。いつもの寝室に備えを加える家具です。

階段を使う負担を減らして、いつもの部屋で暮らしたい。その希望を大切にしながら、寝室へ備えを迎えられます。

読書やくつろぎを楽しむ、TETUNOMA(鉄の間)のある日常。

高齢の方だからこそ「ベッドの高さ」を選べるように

高齢になると、低すぎる布団から立ち上がるのがつらい。逆に高すぎるベッドは怖い。ということもあります。TETUNOMAでは、マットレスの種類や厚みを自由に選ぶことができます。たとえば、膝に不安があるから少し高くして立ち上がりやすくする。

ベッド脇に立つ人とTETUNOMAの高さが分かる写真
TETUNOMA(鉄の間)のそばに立ったときの使用イメージ。部屋全体の広さと、毎日の出入りを思い浮かべてみてください。

床との高低差が怖いから低めにする。といった調整が可能です。一般的なマットレスだけでなく、布団や市販のすのこベッドも使用できます。

防災のために、高齢者が毎日使いにくいベッドになってしまっては意味がありません。身体の状態に合わせて、寝床の高さを調整できるようにしています。

出入りしやすい広い間口と、120cmの内部空間

耐震シェルターというと、「入るのが大変そう」「狭そう」というイメージを持つ方もいると思います。TETUNOMAでは、入口を広く取り、少しかがむ程度で出入りできる間口を確保しています。さらに内部は、内部高さ約120cmの空間があります。毎晩使うベッドだからこそ、強度だけではなく、日常的に出入りできるかも大切にしています。

身体を支える「内部持ち手」という選択肢もある

TETUNOMAには、必要に応じて取り付けられる内部持ち手も用意しています。普段は、起き上がるとき。姿勢を変えるとき。

身体を支えたいとき。などに使用できます。そして大きな揺れが起きた場合には、身体を支えるために握ることもできます。

高齢者向けの製品というわけではありませんが、「身体を支える場所が欲しい」という方にとっては、一つの選択肢になります。

TETUNOMAは、むしろ1階への設置を推奨している

ここは今回のテーマで重要なポイントです。TETUNOMAは重量のある鉄骨家具です。そのため、一般的には1階への設置を推奨しています。

傷みのない一般的な木造住宅の1階なら、基本的に床を補強せず設置いただけます。シングルの本体約180kgを広い底面で分散し、体重70kgの方を加えて約250kg。設置面積で比べた床の設計荷重の目安、約430kg分の約6割です。ピアノとの比較と、畳への実際の納入写真もご覧ください。

ご本人が今の部屋で暮らし続けたい気持ちを大切にしながら、いつもの寝床へ備えを加えられます。

つまり、「高齢になったので1階へ寝室を移したい」という暮らし方と、TETUNOMAの推奨設置条件は相性がいい部分があります。

1階で生活を完結させる。階段を毎日使わなくてもいい。そのうえで、眠る場所には家屋倒壊への備えを加える。

という考え方です。

構造開発では最大131.7トンを記録

一級建築士でもある建築学教授2名の立会いのもと、専用の大型油圧試験機で耐荷重試験を行いました。センサーやモニター、映像で荷重と変形を確かめ、最大131.7トンを記録しました。

設計や計算で終わらせず、実際の試験で強さを確かめる。眠っている人の周囲に、命を守るための空間を残したい。その想いを、鉄の構造に込めています。

大型油圧試験機で行った耐荷重試験の映像。

「高齢になったら1階で寝る」は間違いではない

階段がつらくなってきたから、寝室を1階へ移す。この判断を、「地震が怖いからやめた方がいい」と一律に否定する必要はないと思います。

むしろ、日常的な転倒リスク。トイレへの移動。介護のしやすさ。生活動線。を考えれば、1階中心の生活が適している家庭はたくさんあります。

大切なのは、「1階へ移したから終わり」にしないこと。住宅の耐震性を確認する。背の高い家具を減らす。家具を固定する。

ガラス対策をする。そして必要なら、人が眠る場所に耐震ベッドという備えを加える。

「逃げられる人」を前提にしない寝室へ

若いころと同じ速さで動けなくなる。これは、誰にでも起こり得ることです。だから防災も、身体の変化に合わせて変えていいと思います。

「地震が来たら急いで逃げる」だけではなく、「すぐに逃げられなくても、眠っている場所に備えがある」という考え方へ。

階段を使わず1階で安心して生活することと、大地震への備え。そのどちらかを諦める必要はありません。TETUNOMA(鉄の間)は、高齢になっても暮らしやすい1階の寝室に、家屋倒壊へのもう一つの備えを加えるための耐震シェルターベッドです。

  

TETUNOMA(鉄の間)の製品写真


毎日眠る場所に備えを加える家具

寝床に倒壊物への備えを加える強く、美しい"空間"を。
耐震シェルターベッド『TETUNOMA(鉄の間)』

私たちは、寝床に備えを加える家具を作っています。

日心製作株式会社

強さを確かめた実験を見る

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

いつもの寝具で眠り、寝る前は本を読んでくつろぐ。写真と実物映像を見ながら、あなたの寝室に迎えた姿を思い描いてみてください。

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

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写真の出典
  1. Odyssey / バリアフリーじゃない階段 / not barrier-free stairs / CC BY-SA 2.0
  2. Chacmool / 掲載元 / CC BY-SA 4.0
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