リノベ物件、見た目は新築──でも構造は大丈夫?

リノベ物件、見た目は新築──でも構造は大丈夫?

この記事でわかること

  • リノベーション物件で見落とされがちな「構造劣化」のリスク
  • 築古住宅の耐震性能が経年でどれだけ低下するか
  • 能登半島地震・阪神大震災の被害データから見る旧耐震住宅の危険性
  • 耐震補強の費用相場と現実的な選択肢
  • 就寝中の地震から身を守るために今できる備え

おしゃれな内装の裏に潜む「見えないリスク」

近年、中古住宅を購入してリノベーションする暮らし方が人気を集めています。新築より費用を抑えながら、自分好みの空間をつくれる。立地の良い都市部でも手が届きやすい。そんな魅力に惹かれて、築30年、40年の物件を選ぶ方が増えています。

しかし、ここで見落とされがちなポイントがあります。それは「構造」です。


リノベーションで新しくなるのは、壁紙、床材、キッチン、バスルームといった内装や設備がほとんどです。一方で、柱、梁、基礎、筋かいといった建物を支える構造部分には手が加えられていないケースが少なくありません。

つまり、見た目は新築同様でも、地震に耐える力は築年数なりのままということがあり得るのです。

「リノベしたから安心」という思い込みが、いざというとき命を危険にさらす可能性があります。


日本の住宅、約570万戸が「耐震性不十分」

国土交通省の推計によると、2023年時点での住宅耐震化率は全国で約90%です。数字だけ見ると高く感じますが、裏を返せば約570万戸の住宅がいまだ耐震性不十分の状態にあります。

さらに深刻なのが、持ち家全体の約34%にあたる1,038万戸が、1980年以前に建てられたまま耐震診断も改修工事も受けていないという事実です。3戸に1戸が、地震への備えがないまま放置されている計算になります。

国土交通省は令和17年(2035年)までに耐震性が不十分な住宅をおおむね解消するという目標を掲げていますが、現実には高齢世帯を中心に改修が進みにくい状況が続いています。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

1981年6月に建築基準法が改正され、新しい耐震基準が導入されました。それ以前の基準で建てられた住宅を「旧耐震基準」の建物と呼びます。

旧耐震基準の住宅は、震度5程度の地震に耐えることを想定して設計されていました。一方、新耐震基準では震度6強から7程度の地震でも倒壊しないことが求められています。

さらに2000年には、木造住宅の接合部の仕様や耐力壁の配置バランスに関する基準が明確化されました。この「2000年基準」が、現時点で最も新しい耐震基準です。

基準の違いは、大地震が起きたときに致命的な差となって現れます。


能登半島地震が突きつけた現実

2024年1月に発生した能登半島地震は、最大震度7を記録しました。木造家屋の倒壊被害が相次ぎ、築古住宅の地震リスクが改めて浮き彫りになっています。

国土交通省の調査による、建築時期別の倒壊・崩壊率は以下のとおりです。

  • 旧耐震基準(1981年以前)の木造建築物:19.4%
  • 新耐震基準(1981〜2000年)の木造建築物:5.4%
  • 2000年基準以降の木造建築物:0.7%

旧耐震基準の建物は、2000年基準以降と比べて約28倍もの倒壊率です。数字が物語るように、建築時期の違いが建物の運命を大きく左右しています。

被害が集中した輪島市や珠洲市では、地域全体の耐震化率が約50%前後にとどまっていました。高齢化が進み古い住宅がそのまま残されている地域ほど、被害が大きくなる傾向がはっきりと現れています。

リノベーションで内装だけ新しくした住宅も、構造が旧耐震基準のままであれば、同じリスクを抱えていることになるのです。


阪神大震災──構造材の劣化が生死を分けた

1995年の阪神・淡路大震災は、早朝5時46分に発生しました。多くの人が就寝中だったこともあり、逃げる間もなく倒壊した建物の下敷きになるケースが多発しています。

全壊した住宅は約10万5千棟。被災した木造家屋の98%は旧耐震基準で建てられたものでした。

ここで注目すべきデータがあります。国土技術政策総合研究所の調査によると、全壊した建物のうち構造材に腐朽や蟻害(シロアリ被害)があったものでは、約70%のケースで人命が奪われました。一方、腐朽や蟻害のない全壊建物では、その割合は20%強にとどまっています。

同じ「全壊」でも、構造材が健全かどうかで生存率に約3倍もの差が出ているのです。

この事実は極めて重要です。建物が倒壊するかどうかだけでなく、「どう倒壊するか」が命を左右する。構造材が劣化していると、建物は一瞬で潰れるように崩れ、中にいる人の生存空間が確保できません。


経年劣化は「見えない場所」から静かに進む

木造住宅の構造劣化は、住んでいる人が気づかないうちに進行します。主な劣化要因を整理します。

シロアリ被害

床下や壁内部の木材がシロアリに食害されると、柱や土台の強度が著しく低下します。外見からは判断できないことが多く、被害が広がってから初めて気づくケースも珍しくありません。一般的に5年ごとの防蟻処理が推奨されていますが、実施していない住宅も多いのが現状です。

腐朽菌による木材の分解

雨漏りや結露によって湿気がたまると、腐朽菌が発生して木材を内部から分解していきます。とくに浴室まわり、外壁の取り合い部分、屋根裏は劣化しやすい箇所です。木材が腐ると、地震の揺れに耐える力が大幅に失われます。

接合金物の錆び

木造住宅の柱と梁をつなぐ金物が錆びると、接合部の強度が低下します。築30年、40年と経過した住宅では、こうした金物の劣化も無視できません。とくに湿気の多い地域や海沿いの住宅では進行が早まります。

基礎のひび割れと鉄筋の劣化

コンクリート基礎も永久に持つわけではありません。微細なひび割れから水が浸入し、内部の鉄筋が錆びて膨張することで、ひび割れがさらに拡大する悪循環に陥ります。基礎が弱ると建物全体の耐震性能が低下します。

これらの劣化は、どんなにおしゃれにリノベーションしても解消されません。内装を新しくすることと、構造を健全にすることはまったく別の問題なのです。


「リノベ済み」物件に潜む3つの落とし穴

不動産市場では「リノベーション済み」として販売される中古物件が増えています。新しい内装を見て安心する購入者は多いですが、以下の点には注意が必要です。

1. 構造部分が手つかず

フルリノベーションとうたっていても、排水管や構造部分はそのままというケースは珍しくありません。壁紙や床材が新しいと、その奥にある下地や配管の劣化を見落としやすくなります。

2. 耐震診断を実施していない

リノベーション工事の際に耐震診断を行っていない物件もあります。見た目の美しさと耐震性能には直接の関係がありません。購入前に耐震診断の有無と結果を確認することが大切です。

3. 耐震補強には追加費用がかかる

耐震性が不足していた場合、補強工事には別途費用が発生します。日本建築防災協会の調査では、耐震改修を行った方の約55%が200万円未満で工事を完了しており、100万〜150万円の価格帯が最も多いとされています。

ただし、基礎の補強や屋根の軽量化まで必要な場合は200万〜300万円以上になることもあります。リノベーション費用に加えて耐震補強費用も必要になると、当初の予算計画を大きく超えてしまうケースが出てきます。

物件の購入を検討する際は、内装の美しさだけでなく、構造の健全性にも目を向けることが不可欠です。


構造補強が難しいなら「逃げ場所」を確保する

築古住宅に住んでいて、すぐに建て替えや大規模な耐震補強が難しい。費用面でもタイミング的にも、すぐには動けない。そんな方は多いはずです。


ここで考えたいのが、住宅全体の補強が困難でも、寝室に「命を守る空間」を確保するという発想です。

地震で最も危険な時間帯は就寝中です。起きていれば机の下に隠れたり、外に避難したりする判断ができます。しかし寝ているときは、揺れに気づいてから行動を起こすまでに数秒の空白が生まれます。その数秒の間に天井や梁が落ちてくれば、身を守ることはできません。

阪神大震災は早朝5時46分に発生しました。能登半島地震は16時10分でしたが、もし深夜だったら被害はさらに拡大していたと指摘する専門家もいます。

だからこそ、寝ている場所そのものを安全にしておくという備えが重要になるのです。


TETUNOMA(鉄の間)── 寝室に置く鉄製シェルターベッド


TETUNOMA(鉄の間)は、普段はベッドとして使い、地震が起きたら上から下へ約6秒で鉄製シェルター空間に避難できる防災ベッドです。

特徴は、自分の意思で能動的に避難する設計になっていること。揺れを感じたらベッドの下に潜り込むだけで、頑丈な鉄鋼フレームに囲まれた空間があなたの身を守ります。


ISO取得工場で製造管理され、溶接は20年の経験を持つ専門業者が担当しています。


建物全体の耐震補強が難しい築古住宅やリノベーション物件でも、寝室に設置するだけで就寝中の安全性を高めることができます。大規模な工事は必要ありません。

構造の劣化は見えない場所で進んでいます。でも、備えは今日から始められます。


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