リノベーション済み住宅の地震対策|購入前に確認したい構造と改修記録

リノベーション済み住宅の地震対策|購入前に確認したい構造と改修記録

この記事でわかること

  • 「リノベーション済み」と「耐震性が高い」は同じ意味ではない
  • 全国には今も耐震性が不十分と推計される住宅が約570万戸ある
  • 能登半島地震では、建築年代によって木造建築物の倒壊率に大きな差が出た
  • 木造住宅では「1981年」だけでなく「2000年」も確認したい
  • 築古住宅では、建てられた年代だけでなく現在の劣化状態も重要
  • 本格的な耐震改修がすぐに難しい場合には、耐震ベッドなどを組み合わせる方法もある

見た目は新築。でも「家の中身」まで新しいとは限らない

中古住宅を購入して、自分好みにリノベーションする。あるいは、すでにきれいに改装された「リノベーション済み物件」を購入する。中古住宅には、新築とは違った魅力があります。立地がいい。広い。新築より価格を抑えられる。そこへ、新しいキッチン。きれいな床。新しい浴室。おしゃれな照明。内装をきれいにすれば、築30年、40年とは思えない住宅になることもあります。

瓦屋根と上下階の窓が見える日本の2階建て住宅の外観
瓦屋根の2階建て住宅の外観例。家を建てた時期や改修の記録も、家族で振り返ってみてください。

でも、地震対策という視点では、もう一つ確認したいことがあります。「壁や床の奥にある、家を支える部分はどうなっているのか」です。

リノベーションと耐震改修は、同じ工事ではない

まず、ここを分けて考える必要があります。リノベーションした住宅が、地震に弱いという意味ではありません。

リノベーションと一緒に、耐震診断をする。壁を補強する。柱や梁の接合部を補強する。基礎を補修する。といった耐震改修まで行っている住宅もあります。

一方で、キッチン。浴室。床。壁紙。建具。設備。などを中心にきれいにし、家を支える構造部分にはほとんど手を入れていない物件もあります。つまり、「フルリノベーション済み」という言葉だけでは、地震への強さまでは分かりません。

国の「安心R住宅」も、リフォームと耐震性を別に確認している

国土交通省には、中古住宅の情報を分かりやすくするための「安心R住宅」という制度があります。この制度では、単に、「きれいにリフォームされている」だけでは対象になりません。耐震性があること。建物の状態を調べるインスペクションが行われていること。

構造上の不具合や雨漏りなどについて確認されていること。リフォームなどの情報が分かること。といった条件があります。

つまり国の制度でも、「見た目がきれいか」と「住宅としての基本的な安全性」は別に確認するという考え方です。

中古住宅を選ぶときも、内装だけでなく、耐震性。建物の状態。過去の修繕や改修内容。まで確認することが大切です。

日本には今も約570万戸の「耐震性が不十分な住宅」がある

国土交通省が、2023年の住宅・土地統計調査などをもとに推計した数字があります。全国の住宅は、約5,570万戸。

そのうち、耐震性があると推計される住宅は、約5,000万戸。耐震化率は、約90%です。かなり高くなっています。

でも反対に見ると、約570万戸は、まだ耐震性が不十分と推計されています。戸建て住宅だけを見ると、約2,930万戸のうち、耐震性が不十分と推計される住宅は、約450万戸。耐震化率は、約85%です。国は、2030年までに、耐震性が不十分な住宅をおおむね解消することを目標にしています。

つまり、古い住宅の耐震問題は、まだ終わった話ではありません。

最初に確認したいのが「1981年」

築年数の古い住宅を見るとき、大きな目安の一つが、1981年6月です。この時期から、いわゆる新耐震基準が使われるようになりました。

それ以前の基準で建てられた住宅は、一般に旧耐震住宅と呼ばれます。ただし、「新耐震なら震度7でも絶対に大丈夫」という意味ではありません。新耐震基準は、大きな地震に対して、人命に大きな危険が及ぶような倒壊・崩壊を防ぐことを考えた基準です。地震の後は、被害の程度を確かめながら、その後の暮らしを判断します。それでも、実際の大地震を見ると、建築年代によって被害に大きな差が出ています。

能登半島地震では、1981年以前の木造建築物の約2割が倒壊・崩壊

2024年の能登半島地震では、木造建築物について詳しい調査が行われました。調査された木造建築物を建築年代別に見ると、倒壊・崩壊した割合は、1981年以前:19.4%1981年〜2000年:5.4%2000年以降:0.7%でした。1981年以前と、2000年以降では、非常に大きな差があります。もちろん、これは、「1981年以前の家は19.4%の確率で倒れる」という意味ではありません。能登半島地震で調査された地域・建物についての結果です。地盤。揺れの強さ。建物の形。

施工状態。劣化。などによって、実際の被害は変わります。それでも、建てられた時期や耐震仕様によって、実際の倒壊率に大きな差が出たことは確認されています。

木造住宅では「2000年」も確認したい

「1981年以降だから安心」とも言い切れません。木造住宅では、もう一つ大きな節目があります。2000年です。

2000年には、木造住宅について、壁をバランスよく配置すること。柱や筋かいなどの接合部分。地盤に応じた基礎。

などの考え方が、それまでより明確になりました。2016年の熊本地震では、新耐震基準で建てられた木造住宅でも、2000年以前の建物に倒壊などの被害が確認されています。そのため国土交通省も、1981年6月から2000年5月までに建てられた一定の木造住宅について、耐震性能を確認する方法を公表しています。木造住宅なら、1981年だけではなく、2000年より前か後かも確認しておきたいポイントです。

能登半島地震でも、2000年以降の倒壊はかなり少なかった

能登半島地震の詳しい調査では、2000年以降に建てられた木造建築物は、608棟。そのうち、倒壊・崩壊したのは、4棟。割合は、0.7%でした。さらに、4棟のうち図面を確認できた2棟は、どちらも、壁をバランスよく配置するための規定を満たしていませんでした。

そのうち1棟では、必要な壁の量についても基準を満たしていないことが確認されています。また、図面を確認できなかった別の1棟は、築100年程度の住宅を2000年以降に移築した建物で、壁が非常に少なかったという情報もあります。つまり、単純に「2000年以降でも家は倒れる」と読むのではなく、基準に沿った構造になっているかが非常に重要ということです。

築年数だけでなく「今の状態」も見る

そして、もう一つ大切なのが、今、その家がどんな状態なのかです。家は、建てたときの状態のまま、30年、40年、50年と残るわけではありません。

雨。湿気。シロアリ。水漏れ。増改築。地盤。さまざまな影響を受けます。だから、現在の耐震性を考えるときには、建築年代だけではなく、建物がどれくらい傷んでいるかも確認する必要があります。

「築40年だから強度が半分」は分からない

ここも、単純な数字では表せません。「築30年だから強度が○%落ちる」「築40年なら新築時の半分になる」といった決まりはありません。同じ築40年でも、雨漏りもなく、適切に手入れされてきた住宅と、長年床下が湿った状態だった住宅では、まったく条件が違います。だから耐震性能を確認するときには、基礎に大きなひび割れがないか。雨漏りしていないか。

柱や土台が腐っていないか。シロアリ被害がないか。といった、現在の家の状態を見ることが重要です。

リノベ済み物件で確認したいこと

中古住宅を購入するとき、内装を見るのと一緒に、次のことも確認してみてください。いつ建てられた家なのか。

1981年以前なのか。1981年〜2000年の木造住宅なのか。2000年以降なのか。そして、耐震診断をしているか。

診断したなら、結果はどうだったのか。耐震改修をしているか。壁。接合部。基礎。どこまで工事したのか。インスペクションをしているか。

さらに、雨漏り。腐朽。シロアリ。過去の修繕。などの履歴も確認します。「フルリノベーション済み」という言葉より、実際に何を調べて、どこまで直したのかを見ることが大切です。

これからリノベーションするなら「壁を閉じる前」がチャンス

これから中古住宅を購入して、リノベーションするなら、むしろ耐震性を確認する良い機会でもあります。国土交通省も、2000年以前に建てられた木造住宅について、リフォームなどの機会に、接合部などを確認することを勧めています。

壁や天井を一度取り外す工事なら、普段は隠れている、柱。筋かい。接合金物。土台。などを見ることができます。

せっかく大きなお金をかけて、家をきれいにするなら、壁を閉じてしまう前に、家を支える部分も確認する。ここは非常に重要です。

耐震性が不足していたら、基本は住宅そのものを強くする

耐震診断をして、住宅の耐震性が不足していることが分かった場合、基本となるのは、耐震改修です。弱い壁を補強する。

壁の配置を見直す。柱と梁などの接合部分を補強する。基礎を補修する。その住宅の弱い部分に合わせて、工事を行います。

国土交通省が紹介しているモデルケースでは、築50年。木造2階建て。延べ面積約100㎡。の住宅を耐震改修した場合、約224万円という例があります。もちろん、すべての家が224万円になるわけではありません。家の大きさ。

傷み具合。必要な工事。によって費用は変わります。自治体によっては、耐震診断や耐震改修に補助金が出る場合もあります。

住宅そのものに問題があるなら、まず、家を強くできないかを考えるのが基本です。

すぐに大規模な耐震改修ができない場合もある

ただ、現実には、すぐ工事できない場合もあります。リノベーションに大きなお金を使ったばかり。住宅ローンがある。

高齢で大規模な工事が負担になる。工事期間を確保できない。さまざまな事情があります。だからといって、耐震改修ができるまで何もしない必要はありません。国土交通省の「木造住宅の安全確保方策マニュアル」でも、住宅そのものを耐震化することを基本としながら、どうしてもすぐに本格的な耐震改修ができない場合の方法として、部分的な補強。2階を主な居室にする方法。耐震ベッドや耐震テーブル。

などが紹介されています。耐震ベッドを置けば、耐震改修と同じになるわけではありません。あくまで、家全体を強くする対策とは別に、人がいる場所の安全性を高める方法です。

築古住宅なら、まず寝室も確認する

住宅全体の耐震性と一緒に、寝室も見てみてください。タンス。本棚。テレビ。鏡。重い照明。寝ている人の方向へ、倒れたり落ちたりする物はないでしょうか。まずは、家具を固定する。寝床から離す。背の高い家具を減らす。ガラスの飛散防止をする。

窓のある畳の部屋に、布団が畳んで置かれた和室
布団を使う和室の例。寝床から窓や家具、出入口までの位置関係を、いつもの部屋で思い浮かべてみてください。

こうした対策から始めます。そして、家そのものに不安があるなら、耐震診断を受ける。これが基本です。

リノベーションした寝室に、眠る場所の備えを

TETUNOMA(鉄の間)は、強固な鉄のフレームの内部に布団やマットレスを敷き、普段からその中で眠る耐震シェルターベッドです。いつもの寝床に、命を守るための強い空間をつくります。

TETUNOMA(鉄の間)を寝室で使うイメージ
鉄のフレームの中に、好みの布団やマットレスを。いつもの寝室に備えを加える家具です。

お気に入りの床や壁、使い慣れた寝具。その暮らしを大切にしながら、寝室へ鉄の構造を迎えられます。

読書やくつろぎを楽しむ、TETUNOMA(鉄の間)のある日常。

眠っているその場所に、あらかじめ備える

TETUNOMA(鉄の間)では、布団やマットレスをフレームの内部へ敷きます。夜も朝も、いつものベッドとして使う場所に、強固な鉄の構造があります。

住宅の記録を集め、寝室の配置を整えたら、普段の眠る場所にどんな備えを持ちたいかも、ご家族で思い描いてみてください。

住み慣れた部屋に迎える、搬入と配置

TETUNOMA(鉄の間)は、ユニットに分けて室内へ搬入し、寝室で組み立てます。シングルの本体は約180kgで、基本的には1階への設置をおすすめしています。

床の沈みやきしみ、雨漏りやシロアリなど気になる点があれば、建築士や工務店へ伝えて床の状態を確かめます。部屋の寸法、周囲の余白と通り道まで間取りに重ね、使いやすい寝室を整えましょう。

TETUNOMAの耐荷重試験では最大131.7トンを記録

一級建築士でもある建築学教授2名の立会いのもと、専用の大型油圧試験機で耐荷重試験を行いました。センサーやモニター、映像で荷重と変形を確かめ、最大131.7トンを記録しました。

設計や計算で終わらせず、実際の試験で強さを確かめる。眠っている人の周囲に、命を守るための空間を残したい。その想いを、鉄の構造に込めています。

開発では、製品と同等構造の鉄骨を使った住宅倒壊試験も実施しました。屋根や壁を崩落させ、倒壊に近い衝撃を加えた試験でも内部空間を確保しています。

重さに耐える力と、衝撃を受ける構造。その両方を実験で確かめながら、命を守る家具をつくってきました。

大型油圧試験機で行った耐荷重試験の映像。

リノベーション物件で本当に確認したいのは「見えない部分」

新しいキッチン。きれいな床。おしゃれな照明。新しいお風呂。どれも、毎日の暮らしを快適にしてくれる大切なものです。

でも、中古住宅を買うときには、その奥にある、目に見えない部分も確認してください。いつ建てられた家なのか。

どの耐震基準で建てられたのか。耐震診断をしたのか。構造を補強したのか。雨漏りはないか。シロアリ被害はないか。

基礎は大丈夫か。インスペクションは行われているか。見た目が新しいことと、家を支える構造が健全であることは別の話です。

まず住宅そのものを確認する。必要なら補強する。家具や寝室も安全にする。そして、すぐに全面的な耐震改修が難しい場合や、さらに寝室へ備えを加えたい場合には、耐震ベッドなどを組み合わせる。大切なのは、「リノベーション済みだから大丈夫」と思い込まず、その家の本当の状態を知ったうえで備えること。TETUNOMA(鉄の間)は、家そのものを新しくする製品ではありません。

住宅全体への耐震対策とは別に、毎日眠る場所へもう一つの強い空間をつくる耐震シェルターベッドです。 





TETUNOMA(鉄の間)の製品写真


毎日眠る場所に備えを加える家具

寝床に倒壊物への備えを加える強く、美しい"空間"を。
耐震シェルターベッド『TETUNOMA(鉄の間)』

私たちは、寝床に備えを加える家具を作っています。

日心製作株式会社

強さを確かめた実験を見る

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

いつもの寝具で眠り、寝る前は本を読んでくつろぐ。写真と実物映像を見ながら、あなたの寝室に迎えた姿を思い描いてみてください。

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

紙の資料でじっくり見る|無料パンフレット

写真の出典
  1. Chacmool / 掲載元 / CC BY-SA 4.0
  2. Atsushi Tadokoro / Futon (9455233917).jpg / CC BY 2.0
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