南海トラフ地震の避難先を考える|在宅避難に必要な住まいと備蓄の確認

南海トラフ地震の避難先を考える|在宅避難に必要な住まいと備蓄の確認


この記事でわかること

  • 南海トラフ巨大地震では、避難者が最大約1,230万人に達する想定
  • 発災1週間後でも、避難所避難者は最大約650万人
  • 日本の避難所は現在、1人3.5㎡などスフィア基準を踏まえた改善が進められている
  • 地震後は、避難生活そのものの負担による「災害関連死」にも注意が必要
  • 自宅が安全なら、避難所だけでなく「在宅避難」という選択肢もある
  • 在宅避難には、備蓄だけでなく「住宅そのものの安全確認」が不可欠

南海トラフ巨大地震、避難者は最大約1,230万人

南海トラフ巨大地震が発生したら、「とりあえず避難所へ行けばいい」と思っている方は多いかもしれません。しかし、想定されている被害規模は非常に大きなものです。

2025年3月に政府が公表した最新の被害想定では、避難者は最大約1,230万人。さらに、発災1週間後の避難所避難者は最大約650万人。

1か月後になっても、最大約360万人が避難所で生活していると想定されています。

以前の被害想定では避難者約950万人とされていましたが、最新想定では約1,230万人へ増えています。日本の人口のおよそ10人に1人に相当する規模です。

それだけ多くの人が一斉に避難すれば、避難所。食料。水。トイレ。ベッド。医療。福祉サービス。すべてに非常に大きな負荷がかかります。

「避難所へ行けば必ず入れる」とは限らない

避難所は、災害時にとても重要な場所です。自宅が倒壊した。津波や火災の危険がある。余震で住宅にいられない。

そんな場合には、安全な避難先へ移動する必要があります。一方で、南海トラフ巨大地震のように被害範囲が非常に広い災害では、大量の避難者が同時に発生することを考えなければなりません。たとえば三重県では、最新の国の被害想定に基づき、発災1週間後に約80万9,000人の避難者。そのうち約45万8,000人が避難所へ避難すると想定されています。

県は、現在確保している指定避難所で1人3.5㎡の居住スペースを確保しようとすると、受け入れられない避難者が多数発生する可能性を指摘し、広域避難の仕組みづくりを進めています。「避難所の建物がある」ことと、「全員が十分な生活スペースを確保できる」ことは、同じではありません。

避難所の「広さ」についても国の考え方が変わった

これまで日本の避難所では、体育館などへ多くの人を収容することが優先され、一人ひとりの生活空間が十分とは言えないケースがありました。

しかし、能登半島地震などの経験を踏まえ、国の避難所政策も変わっています。内閣府は2024年12月に避難所運営の指針を改定。

現在は、国際的な人道支援の最低基準として知られる「スフィア基準」を踏まえ、避難所では原則として、1人当たり最低3.5㎡の居住スペースを確保するよう自治体へ求めています。さらに、簡易ベッド。パーティション。トイレ。食事。要配慮者用スペース。

なども含め、単に「体育館の中へ人を入れる」のではなく、避難生活そのものの質を改善する方向へ制度が変わってきています。

なぜ避難所の「生活環境」がそこまで重要なのか

理由の一つが、災害関連死です。災害では、建物倒壊。津波。火災。などによって直接亡くなる方だけではありません。

地震から助かったあと、避難生活による疲労。環境の変化。持病の悪化。感染症。医療・介護サービスの停止。などによって亡くなる方がいます。

これが災害関連死です。

熊本地震では、長引く避難生活が大きな課題になった

2016年熊本地震では、死者276人のうち、多数が災害関連死でした。内閣府も、震度7が2度発生したこと。

住宅被害。地震活動が長期間続いたこと。そして、避難生活が長期化したことによって災害関連死が多く発生したと振り返っています。地震の揺れから生き延びれば、そこで防災が終わるわけではありません。その後の数日、数週間をどう生活するかまで考える必要があります。

能登半島地震では、災害関連死449人

2024年の能登半島地震でも、災害関連死は大きな問題になりました。2025年12月25日時点の石川県の集計では、災害関連死は449人。認定理由は複数回答ですが、地震のショックや余震への恐怖による心身への負担:88.0%電気・水道などの途絶による負担:51.9%社会福祉施設の被災による介護機能低下:46.5%避難所などでの生活による心身への負担:39.2%などが挙げられています。つまり、「避難所が危険だから行かない方がいい」という話ではありません。避難所は命を守るために必要な場所です。

ただし、大規模災害では、避難後の生活環境そのものも健康や命に関わるということです。

だから国も「避難所以外で暮らす人」を支援するようになった

近年、防災で大きく変わっている考え方があります。それが、「避難=避難所へ行くことではない」という考え方です。

内閣府は現在、避難所に入らず、自宅。親戚宅。知人宅。車中。ホテル。などで避難生活を送る人も想定し、「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」を整備しています。つまり、公的な支援の対象を「体育館にいる人だけ」にしない方向へ変わっています。

自宅が安全なら「在宅避難」という選択肢がある

住宅が無事で、火災。津波。土砂災害。大きな建物損傷。などの危険がない場合には、自宅で避難生活を続ける「在宅避難」という方法があります。在宅避難には、普段使っている布団やベッドで眠れる。トイレやキッチンを使える可能性がある。

複数のペットボトル入り飲料水
ペットボトル入りの飲料水。家族に必要な量を書き出し、取り出しやすい低い場所へ分けて備えます。

家族のプライバシーを確保できる。ペットと一緒に過ごしやすい。避難所を本当に必要としている人へスペースを譲れる。

といったメリットがあります。ただし、非常に重要な条件があります。自宅が安全であること。

在宅避難は、住宅と周囲の安全を確かめてから

地震の後に過ごす場所は、住宅の損傷、火災や津波、地盤など周囲の危険を確認して選びます。危険な場所からは安全な避難先へ移り、建物については自治体や専門家の案内につなげましょう。

在宅避難に必要なのは「備蓄」だけではない

在宅避難と聞くと、水。食料。簡易トイレ。カセットコンロ。モバイルバッテリー。といった備蓄を思い浮かべると思います。

椅子の上に置かれた銀色の非常持出袋
非常持出袋の例。必要な物を入れたら、持てる重さと、すぐ取り出せる置き場所を確かめます。

もちろん重要です。ただ、その前に確認しなければならないことがあります。そもそも地震の瞬間を無事に乗り越えられるか。

ということです。水を1週間分備蓄していても、家屋が大きく損壊した瞬間に身体が重大な被害を受ければ、その備蓄を使うことはできません。

だから自宅防災は、住宅の耐震性。家具転倒対策。ガラス対策。備蓄。そして必要に応じて、人がいる場所に生存空間をつくる対策を組み合わせて考える必要があります。

寝室は、自宅防災で見落とせない場所

1995年の阪神・淡路大震災は、午前5時46分に発生しました。厚生省の人口動態統計を基にした分析では、直接死のうち77.0%が窒息・圧死。78.9%が自宅で亡くなっています。だからといって、「夜の地震は必ず危険」ということではありません。ただ、睡眠中は、周囲を確認できない。すぐに立てない可能性がある。大きな揺れでは移動そのものが困難になる。という条件があります。そのため、寝室そのものの安全性を高めることには大きな意味があります。

窓のある畳の部屋に、布団が畳んで置かれた和室
布団を使う和室の例。寝床から窓や家具、出入口までの位置関係を、いつもの部屋で思い浮かべてみてください。

毎晩の寝床に、強固な鉄の空間を

TETUNOMA(鉄の間)は、強固な鉄のフレームの内部に布団やマットレスを敷き、普段からその中で眠る耐震シェルターベッドです。いつもの寝床に、命を守るための強い空間をつくります。

TETUNOMA(鉄の間)を寝室で使うイメージ
鉄のフレームの中に、好みの布団やマットレスを。いつもの寝室に備えを加える家具です。

いつもの布団やマットレスでくつろぐ場所を、鉄のフレームが囲みます。毎日使う寝室に自然に取り入れられる備えです。

読書やくつろぎを楽しむ、TETUNOMA(鉄の間)のある日常。

地震の瞬間に備え、その先の行動へつなぐ

地震が起きる瞬間に、眠る人の周囲へ空間を残したい。それがTETUNOMA(鉄の間)をつくる私たちの想いです。

揺れが収まったら、家族の安否と周囲を確認し、安全に過ごせる場所を選ぶ。眠る場所の備えと、地震後の避難の準備を、一緒に整えていきましょう。

室内で組み立てて、いつもの寝室へ

複数のユニットに分けて搬入し、寝室でフレームを組み立てます。専門スタッフが搬入から組立設置まで担当し、専用ベースラグも標準でお届けします。

毎日使うベッドとして迎えられることも、TETUNOMA(鉄の間)が大切にしている使いやすさです。

静岡県の補助対象製品にも認定

TETUNOMA(鉄の間)は、2026年8月4日に静岡県の「TOUKAI-0+」の補助対象製品として認定されました。住宅全体の耐震化とともに、眠る空間に備える耐震ベッドも、地域の地震対策の選択肢として扱われています。

南海トラフでは「避難所へ行く人」だけを想定しない

最新の南海トラフ被害想定では、避難者は最大約1,230万人。1週間後の避難所避難者は最大約650万人。

これほどの規模になれば、行政だけですべてを解決することは困難です。だからこそ、住宅を耐震化する。家具を固定する。

水・食料・トイレを備蓄する。避難先を確認する。安全なら在宅避難できるよう準備する。そして、就寝中の地震まで考えて寝室そのものを備える。

一つの対策ですべてを解決しようとするのではなく、何層にも備えを重ねることが重要です。

「避難所に行かない」ではなく、「選べる状態」をつくる

避難所へ行くことが正解になる災害もあります。在宅避難が適している状況もあります。大切なのは、最初から「絶対に避難所へ行く」

「絶対に自宅へ残る」と決めてしまうことではありません。そのときの状況を見て、安全な選択をできる状態をつくっておくこと。

避難所が不足するかもしれない。避難生活が長期化するかもしれない。だから在宅避難への備えをする。しかし、危険な住宅へ無理に留まらない。そして何より、その判断をするためにも、まず自分と家族が地震の瞬間を生き延びる。

TETUNOMA(鉄の間)は、「避難所へ行かなくていい」ための製品ではなく、地震が起きた瞬間に人が眠っている場所を守り、その後の避難という選択肢へつなげるための耐震シェルターベッドです。

 

TETUNOMA(鉄の間)の製品写真


毎日眠る場所に備えを加える家具

寝床に倒壊物への備えを加える強く、美しい"空間"を。
耐震シェルターベッド『TETUNOMA(鉄の間)』

私たちは、寝床に備えを加える家具を作っています。

日心製作株式会社

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

いつもの寝具で眠り、寝る前は本を読んでくつろぐ。写真と実物映像を見ながら、あなたの寝室に迎えた姿を思い描いてみてください。

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

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写真の出典
  1. David Pursehouse / Earthquake Survival Kit / CC BY 2.0
  2. Atsushi Tadokoro / Futon (9455233917).jpg / CC BY 2.0
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