木製と鉄製|ベッドの違いを伝えるブログ見出し画像

木製と鉄製のベッドの違いは?素材・接合部・試験条件から地震対策を考える

この記事でわかること

  • 一般的なベッドと防災ベッドでは、そもそも設計する目的が違う
  • 「木だから弱い」「鉄だから安全」と素材だけで判断することはできない
  • 木材と鋼材には、それぞれ違った強さと特徴がある
  • 防災ベッドでは、素材だけでなく構造・接合方法・実際の強度試験が重要
  • 阪神・淡路大震災では、直接死の77%が窒息・圧死だった
  • 就寝中の地震では「揺れてから安全な場所へ移動する」ことだけに頼らない備えも大切

今使っているベッドは、地震から人を守るためにつくられている?

地震への備えとしてベッドを選ぶなら、素材名だけでなく、寝床を支える構造と実際の荷重試験を見ることが大切です。TETUNOMA(鉄の間)は、建築物にも使われる構造用の鋼材と接合部を一体で設計し、耐荷重試験で最大131.7トンを記録しました。

毎晩眠る家具としての心地よさと、眠る人の周囲に空間を残す強さ。その違いを、材料・溶接・実際の試験からお伝えします。

でも、地震対策という視点から、一つだけ考えてみてください。

そのベッドは、家が大きく壊れたときに、人がいる空間を守ることまで考えてつくられているでしょうか。一般的なベッドは、快適に眠る。人と寝具の重さを支える。毎日長く使う。といった目的でつくられています。木製でも、スチール製でも同じです。

普通の家具としてつくられたベッドに、家屋倒壊時の大きな荷重を受け止め、人がいる空間を残す性能まで求めることはできません。

だから最初に見るべきなのは、木か鉄かではなく、「何のためにつくられたベッドなのか」です。

阪神・淡路大震災では、直接死の77%が窒息・圧死

1995年1月17日。阪神・淡路大震災は、午前5時46分に発生しました。厚生省の人口動態統計をもとにした分析では、直接死5,488人のうち、4,224人、77.0%が窒息・圧死でした。また、死亡場所では、78.9%が自宅でした。もちろん、これは、「77%の人がベッドで亡くなった」「78.9%の人が寝室で亡くなった」という意味ではありません。

建物の倒壊。家具。落下物。火災。さまざまな条件が重なっています。ただ、午前5時46分という早朝に発生した地震で、多くの人が自宅で被災したことを考えると、眠っている時間の地震にどう備えるかは重要なテーマです。

普通のベッドの「耐荷重」と、防災ベッドの強さは意味が違う

ベッドを探していると、「耐荷重300kg」「耐荷重500kg」といった表示を見ることがあります。ここで大切なのは、その数字が、何を想定したものなのかです。一般的なベッドの耐荷重は、人。マットレス。寝具。などを載せて、普段ベッドとして使えることを考えた数字です。一方、防災ベッドや耐震シェルターでは、考える荷重が違います。

家が大きく損壊したときに、屋根。壁。柱。梁。などの倒壊物を受けても、中に人がいる空間をどこまで残せるのか。

そこを考えて設計します。だから、一般的なベッドの「耐荷重300kg」と、耐震シェルターの試験で確認された「何十トン」という数字は、単純に比較できません。そもそもの設計目的と試験内容が違うからです。

「木製だから地震に弱い」は間違い

では、木製ベッドより、鉄製ベッドの方が必ず強いのでしょうか。これも、そう単純ではありません。木材は、昔から住宅や建築物に使われてきた立派な構造材料です。

林野庁も、木材について、軽くて扱いやすい割に強度がある材料と説明しています。実際、静岡県が助成対象として認めている防災ベッドの中にも、木材を使った製品があります。つまり、木だから防災ベッドには向かないということではありません。

木材にも、木材ならではの特徴がある

木材は、力をかける方向によって、強さが変わる材料です。木目の方向。木目に対して横方向。では、性質が違います。

さらに、樹種。木の密度。水分量。節。腐り。などによっても、強度は変わります。だから木造住宅でも、単に太い木を使えばいいわけではありません。

柱や梁の向き。太さ。接合金物。壁の配置。などを考えて、住宅全体を一つの構造としてつくります。つまり、材料そのものが強いことと、完成した構造が強いことは別の話です。

鉄も「使えば自動的に強くなる」わけではない

これは、鉄もまったく同じです。細いスチールパイプ。厚い鋼管。鋼板。同じ鉄でも、形や厚さが違えば、強さは大きく変わります。

さらに、部材の長さ。力がかかる方向。どこで支えるか。どこを溶接するか。どこをボルトでつなぐか。によっても、構造の強さは変わります。細くて長い鉄なら、材料がちぎれる前に、大きく曲がってしまうこともあります。接合部分が弱ければ、そこから壊れることもあります。だから、「鉄製ベッドだから地震に強い」とも言えません。普通のスチールベッドと、家屋倒壊を想定して設計された鉄骨シェルターは、同じ鉄製でも、まったく違うものです。

防災ベッドで重要なのは「素材」より「構造」

防災ベッドを見るときに、確認したいのは、単に、木か。鉄か。ではありません。何を想定して設計しているのか。

どんな形で人の周りを囲っているのか。部材同士をどうつないでいるのか。そして、実際に強度を試しているのか。

ここを見ることが大切です。「鉄製です」「頑丈です」「耐震です」という言葉だけでは、本当の強さは分かりません。

静岡県も、素材ではなく製品としての強度を確認している

静岡県には、耐震シェルターや防災ベッドの導入を支援する制度があります。ただし、防災ベッドと名乗れば、何でも助成対象になるわけではありません。

静岡県は、強度試験によって一定の強度を持つことが証明されていることなどを確認した製品を対象としています。

2026年8月現在、TETUNOMA(鉄の間)も、静岡県が認める防災ベッドの一覧に掲載されています。そして、その一覧には、鉄製だけではなく、木材を使った防災ベッドもあります。つまり、行政が見ているのも、「鉄だから良い」「木だから悪い」ではなく、製品として必要な性能があるかということです。

TETUNOMA(鉄の間)を寝室で使うイメージ
鉄のフレームの中に、好みの布団やマットレスを。いつもの寝室に備えを加える家具です。

鉄を組み、人が眠る空間を守る構造へ

TETUNOMA(鉄の間)では、ベッドサイズの空間を囲み、大きな荷重を受ける構造をつくるために鉄を選びました。柱の位置、力の受け方、溶接部とボルトの接合部まで、一つのフレームとして設計しています。

毎晩眠る人の周囲に、強い空間を残す。材料の選択から実際の試験まで、その目的に向き合ってつくっています。

TETUNOMAの耐荷重試験では最大131.7トンを記録

一級建築士でもある建築学教授2名の立会いのもと、専用の大型油圧試験機で耐荷重試験を行いました。センサーやモニター、映像で荷重と変形を確かめ、最大131.7トンを記録しました。

TETUNOMA(鉄の間)の耐荷重試験の様子
耐荷重試験に使用した大型試験機と、立会いの様子。実際の試験で、構造の強さを確かめました。

設計や計算で終わらせず、実際の試験で強さを確かめる。眠っている人の周囲に、命を守るための空間を残したい。その想いを、鉄の構造に込めています。

大型油圧試験機で行った耐荷重試験の映像。

荷重と変形の様子を、センサーと映像で記録

耐震シェルターの場合、ただ、「最後まで壊れなかった」だけではなく、中の空間がどれくらい保たれるのかも重要です。

そのため耐荷重試験では、かけている力だけではなく、フレームがどの程度変形したのかも確認しています。センサー・モニター・動画などで状態を記録しながら、荷重を増やしていきました。つまり、何トンまで耐えたかだけではなく、そのとき構造がどうなっていたのかも見ながら行った試験です。

耐荷重試験とは別に、家屋倒壊を再現した試験も行っている

さらに、131.7トンの耐荷重試験とは別に、開発段階では、現在のTETUNOMAと同じような構造を持つ鉄骨を使った住宅倒壊試験も行っています。実際に住宅の屋根や壁などを倒壊させ、鉄骨へ倒壊物を受けさせる試験です。その結果、倒壊物を受けても鉄骨が壊れず、内部の空間を確保できることを確認しています。

上から大きな力をかける耐荷重試験。住宅が倒れてくる状況を再現した倒壊試験。違う方法で強さを確認してきたということです。

素材、接合部、フレーム全体の構造。その一つひとつを追求し、試験で確かめた強さを、毎日の寝室へ届けます。

普段から、鉄のフレームの中で眠る

TETUNOMA(鉄の間)は、強固な鉄のフレームの内部に布団やマットレスを敷き、普段からその中で眠る耐震シェルターベッドです。いつもの寝床に、命を守るための強い空間をつくります。

TETUNOMA(鉄の間)の製品写真
黒いTETUNOMA(鉄の間)のフレームに、すのこを置いた使用例。好みの布団やマットレスと合わせて寝床を整えられます。

広い間口から入り、お気に入りの寝具に腰を下ろす。寝る前に本を読み、朝はゆっくり起き上がる。毎日使う家具として、出入りのしやすさと心地よく過ごせる空間を大切にしています。内部の高さは約120cm。布団やマットレスの厚みを選びながら、ご自身に合う寝床を整えられます。

強い地震では「動けること」を前提にしない方がいい

気象庁によると、震度6強では、立っていることができず、はわないと動けないほどの揺れになることがあります。

揺れにほんろうされ、動くこと自体ができない場合もあります。震度7でも、同じように自由に動けない状態が想定されています。

まして、地震が起きたのが、深夜。寝起き。停電中。であれば、さらに行動は難しくなります。だから寝室では、「地震が来たらシェルターへ移動する」ことだけに頼らず、普段から安全性を高めた場所で眠るという考え方があります。

住宅と寝床、それぞれに備えを重ねる

住宅の耐震診断・改修で建物を整え、家具の固定や配置を見直す。そして毎晩眠る場所にも、強固な鉄の構造を備える。ご自宅の状態と暮らし方に合わせて、備えを重ねていきましょう。

普通のベッドと防災ベッドの違いは「何を守るためにつくったか」

ここまでの話をまとめると、一般的なベッドと、防災ベッドの違いは、木か鉄かではありません。何を守るためにつくられているのか。

普通のベッドは、毎日快適に眠るためにつくられています。防災ベッドは、そこへさらに、万一家屋が大きく損壊したときにも、人がいる空間を残すという目的を加えています。そのために、材料を選ぶ。形を考える。接合方法を決める。実際に強度を試す。素材は、その目的を実現するための一つの要素にすぎません。

ベッド選びに「もしもの強さ」という項目を加える

寝心地がいい。収納がほしい。木の質感が好き。部屋に合うデザインがいい。価格を抑えたい。どれも、ベッドを選ぶうえで大切です。

でも、築年数の古い木造住宅に住んでいる。寝室が1階にある。住宅の耐震性が心配。就寝中の家屋倒壊まで備えておきたい。

そんな方なら、もう一つ、「このベッドは、万が一家が大きく壊れたときに、人がいる空間を守ることまで考えられているか」という項目を加えてみてもいいと思います。

木だから危険。鉄だから安全。ではありません。大切なのは、どんな目的で、どんな構造につくり、その強さを実際にどう確かめているのか。

TETUNOMA(鉄の間)は、鉄を使っていることそのものではなく、鉄骨を人が毎日眠る強い空間として設計し、実際の耐荷重試験や住宅倒壊試験まで行いながら開発してきた耐震シェルターベッドです。


TETUNOMA(鉄の間)の製品写真


毎日眠る場所に備えを加える家具

寝床に倒壊物への備えを加える強く、美しい"空間"を。
耐震シェルターベッド『TETUNOMA(鉄の間)』

私たちは、寝床に備えを加える家具を作っています。

日心製作株式会社


強さを確かめた実験を見る

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

いつもの寝具で眠り、寝る前は本を読んでくつろぐ。写真と実物映像を見ながら、あなたの寝室に迎えた姿を思い描いてみてください。

TETUNOMA(鉄の間)のある暮らしを見る

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