木造住宅の耐震診断の費用は?無料診断・補助制度と依頼前の準備
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木造住宅の耐震診断は、自治体の制度を利用して無料で受けられる場合があります。診断料の一部を補助する地域もあり、自分で事業者に依頼する場合は、調査する内容をそろえて見積もりを取ります。最初に調べたいのは、ご自宅で使える制度と、その診断に含まれる範囲です。
「診断を頼むと、すぐ高い工事の話になるのでは」と身構える方もいらっしゃると思います。まず家の状態を知り、結果をもとに、必要な工事と費用を考える。順番を分けると、家族で話し合う材料を一つずつそろえられます。
この記事では、戸建ての木造住宅を中心に、無料診断と補助の違い、依頼前の質問、当日までに用意したいものを整理します。
診断を頼む前に、3つの段取り
耐震診断の費用は「無料派遣・補助・民間依頼」で考える
検索して見つかる「無料」は、全国のすべての家が同じ条件で受けられる料金ではありません。自治体が診断員を派遣する制度なのか、自分で頼んだ診断費の一部を補助する制度なのかを分けると、支払いの流れが分かりやすくなります。
| 入口 | 費用の見方 | 最初に聞くこと |
|---|---|---|
| 自治体の無料派遣 | 対象住宅に診断員を派遣。制度で定める診断の自己負担が無料。 | 建築時期・構法・階数などが対象に合うか。 |
| 診断費の補助 | 見積額と、補助対象になる費用・補助率・上限を分けて計算。 | 依頼先、申請時期、対象外の費用、自己負担額。 |
| 民間へ直接依頼 | 建物と調査範囲に応じた見積もりを受け取る。 | 現地調査・評価・報告・結果説明のどこまで含むか。 |
国土交通省も、耐震診断や改修の支援は地域によって異なるため、まず地元の自治体へ相談する進め方を案内しています。国土交通省・補助金と支援制度
無料で受けられる地域の例と、費用補助の例
次は、2026年10月18日に各自治体の公開情報を確認した例です。対象住宅を判断する入口として、所在地と建てた時期を手元に置いて読んでみてください。
三重県伊勢市:対象の木造住宅は診断無料
伊勢市では、1981年5月31日までに完成または着工した市内の木造住宅で、3階以下などの条件に合う住宅を対象に、無料の耐震診断を案内しています。在来軸組・伝統的構法・枠組壁工法が対象に含まれます。併用住宅は住宅部分が延べ床面積の半分を超えることなども要件です。所有者の同意や受付状況は、申し込み時に市へ確認します。伊勢市・無料耐震診断の対象と申し込み
兵庫県神戸市:2000年以前の一部木造住宅にも対象を拡充
神戸市の無料診断員派遣は、1981年5月31日以前に着工した住宅に加え、2026年10月から、2000年5月31日以前に着工した在来軸組構法の木造住宅で2階建て以下のものにも対象を広げています。プレハブ・ツーバイフォー・丸太組み工法は対象外と案内されています。ほかの条件と派遣までの日程を、窓口の「すまいるネット」で確認できます。神戸市・無料耐震診断の案内
大阪市:診断費を補助する仕組み
大阪市の2026年度の耐震診断補助は、補助率が対象費用の10/11、上限が1戸5万円・1棟20万円です。別に床面積による上限もあります。この数字は診断料金そのものではなく、補助額の計算に使う条件です。
主な対象は、市内の2000年5月31日以前に建築された民間住宅など。過去の同様の補助の利用状況なども確認されます。市は申請前の相談を案内しているため、依頼先を決める前に、受付窓口で進め方と自己負担を確かめましょう。大阪市・2026年度の診断補助と申請要件
見積もりでは「何を調べて、何が届くか」をそろえる
有料で診断を頼む場合は、総額の横に調査内容を書き出すと比較しやすくなります。現地で見る範囲、図面の扱い、診断後の報告や説明まで、頼む内容を同じにして比べます。
金額と一緒に、受け取るものを見る
- 調査する場所:室内、基礎、床下、天井裏など、どの部分をどの方法で見るか。
- 図面がない場合:現況の図面作成が必要か、その費用と日数をどう扱うか。
- 報告の方法:診断報告書の内容と、結果を説明してもらう機会。
- 別に頼む作業:補強設計、工事費の算出、補助申請の手伝いなどは含むか。
- 支払いの条件:税込み総額、追加作業が必要なときの説明と合意の順番。
耐震診断から工事までは、状態を調べる、評価する、改修を計画・設計する、工事費を出すという段階があります。診断費・設計費・工事費を分けて書いてもらうと、「今回お願いするのはどこまでか」を家族でも共有できます。国土交通省・耐震診断から改修までの流れ
相談の日までに用意する、家のメモ
書類を探すときは、家族で保管場所を一度確認してみましょう。図面が見つからない場合も、そのことを伝えたうえで、何を用意すればよいか聞けます。

この5項目をメモして、窓口へ
- 所在地と建てた時期:完成・着工・建築確認など、分かる資料を用意。
- 家の形と使い方:木造かどうか、階数、おおよその広さ、店舗との併用の有無。
- 増改築・修繕の記録:増築、壁をなくした工事、屋根の変更、過去の診断。
- 気になっていること:雨漏り、シロアリ、ひび、床や建具の変化など、気づいた時期も一緒に。
- これからの暮らし:住み続けたい期間、家族が使う部屋、工事を考える時期や予算。
依頼先には「自宅で利用できる制度を知りたい」「診断を受け、結果の説明までお願いしたい」と、今の目的を伝えます。結果を受け取る日程も決めておくと、家族が一緒に説明を聞く予定を立てやすくなります。
報告書を受け取ったら、次の一歩を決める
木造住宅の報告書に「上部構造評点(Iw)」があれば、まずどの階・どの方向の数値なのかを見ます。建物全体の一つの数字だけでなく、1階と2階、東西方向と南北方向を並べて説明してもらうと、補強する理由がつかみやすくなります。
| 評点の範囲 | 診断上の判定 |
|---|---|
| 1.5以上 | 倒壊しない |
| 1.0以上・1.5未満 | 一応倒壊しない |
| 0.7以上・1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
| 0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
表は、木造住宅の一般診断法・精密診断法で使われる上部構造評点の判定です。鳥取市・木造住宅の耐震化について
たとえば、2階の数値が高くても、1階の一方向が低い場合があります。神戸市のすまいるネットは、階別・方向別に算出した値のうち、最も小さい値で総合評価すると説明しています。評点0.7は「70%の確率で大丈夫」という意味ではなく、建物に必要な耐力と保有する耐力を比べるための指標です。すまいるネット・診断を受けた後の考え方
説明を聞く日に、この5つを報告書へ書き込む
- 課題のある場所:どの階・方向が低く、その理由は何か。
- 調べられた範囲:床下・天井裏など、確認できた場所と、次の調査で詳しく見る場所。
- 補強後の目標:どこを、どの方法で補強し、どの状態を目指すか。
- 費用の区切り:追加調査、補強設計、工事、内装の復旧が、それぞれどこまで含まれるか。
- 暮らしへの影響:使えなくなる部屋、工期、家具の移動と、家族が過ごす場所。
「低い数値だった」という不安を、場所・理由・次の対策へ分けると、相談が具体的になります。残したい窓や、これからも使いたい寝室など、ご家族の希望も一緒に伝えてみてください。
診断は、今の家を知るための材料です。結果の数字だけを持ち帰らず、課題のある場所、その理由、考えられる対策を説明してもらいます。分からない言葉には、その場で印を付けて尋ねてみてください。
補強を検討する場合は、目指す状態と工事の範囲を決めてから、設計や工事費の見積もりへ進みます。見積書を受け取ったあとの項目は、耐震補強工事の費用と見積もりの読み方で整理しています。築50年前後の家なら、築50年の耐震補強費用で見ておきたいことも参考にしてください。
家のことを考えながら、いつもの寝床にも備えを
家全体の診断や改修を進める間にも、家具を固定する、寝室の通り道を整えるなど、暮らしの中で進められることがあります。毎日長い時間を過ごす寝床も、その一つです。

私たち日心製作が作るTETUNOMA(鉄の間)は、鉄のフレームの中に布団やマットレスを敷き、普段からその中で眠る耐震シェルターベッドです。家全体を補強する計画に加え、眠る場所に強い空間を迎える選択肢として見ていただけます。

お気に入りの寝具で眠り、夜は本を数ページ読んでくつろぐ。ご家族の寝室に置いた姿を、写真と映像に重ねてみてください。和室・洋室になじむ色や、日々の使いやすさも大切にしています。
まずは「自宅は対象ですか」から始めてみる
診断の費用が心配なときは、お住まいの自治体に、所在地と建てた時期を伝えるところから始めてみてください。使える制度と調査内容が分かれば、次に必要な準備も具体的になります。
家の状態を知ることと、家族が毎日過ごす場所を整えること。一つずつ進めながら、住み慣れた家でのこれからの暮らしを考えていきましょう。
自治体制度の確認日:2026年10月18日。各制度の詳しい対象条件、受付・予算状況、申請の順番は本文中の自治体窓口で確認できます。
写真の出典
- Chacmool / 掲載元 / CC BY-SA 4.0
- Atsushi Tadokoro / Futon (9455233917).jpg / CC BY 2.0